オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」、インテル Atom プロセッサーと NVIDIA DRIVE PX に対応、車載化へ
名古屋大学は、インテル社の Atom プロセッサー搭載システムおよび NVIDIA 社 の DRIVE PX システムにオープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」を 組み込み、将来の完全自動運転技術の車載化を見据えた研究開発プラットフォームを実現しました。
Autoware は、名古屋大学、長崎大学、産業技術総合研究所らが共同で開発したオープンソースの自動運転ソフトウェアであり、インターネット ITS 協議会に設置されたアーバンドライブ WG が推進する「市街地における自動運転公道実験」の中でも使用されています。高精度 3 次元地図の利活用やGraphics Processing Unit (GPU)を用いたディープニューラルネットワーク(DNN)による環境認識など、将来の市街地における完全自動運転の研究開発に適した機能を多数備えています。自動運転用途としては世界初のオープンソースソフトウェアであり、大学での研究開発から企業での製品開発まで、幅広いプラットフォームとして利用できます。
市街地での完全自動運転を想定したこれまでの研究開発では、高性能計算用途のワークステーションやゲーミング PC など、車載化を想定していないコンピュータを使うケースが多いのが現状でした。この度、組込み業界で実績のあるインテル Atom プロセッサーを搭載したシステム、並びに高度運転支援システム用途のNVIDIA Drive PX システムに Autoware を組み込むことで、消費電力や耐故障性など、車載化の際に直面する課題にも対応しつつ、自動運転システムの研究開発を進めていけるプラットフォームを実現しました。新規アルゴリズム開発時に高性能な計算が必要になるケースでは従来どおりワークステーションやゲーミング PC を利用し、車載化を意識したシステム作りが必要なケースでは Atom プロセッサーやDRIVE PX を利用するといったような使い分けも可能になります。

尚、本成果の一部を 2015 年 11 月 18 日〜20 日に開催される組込み総合技術展 (Embedded Technology 2015)の名古屋大学ブースにて出展します。